お知らせ

スタンダードプリコーション(標準予防策)の取り組みについて

お知らせ

yahoo!ニュースで歯科に関する記事がありました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200307-00000021-pseven-soci

患者様の不安をあおる内容ですが、当院はしっかりとした滅菌消毒の管理をしておりますので安心して治療を受けていただければと思います。

 

当院のスタンダードプリコーション(標準予防策)の取り組みについて、お知らせいたします。

当院では、定期的にスタンダードプリコーション(標準予防策)の講習会を行い、スタッフの知識レベルの向上に努めております。

当院を受診されている患者様は分かるかもしれませんが、当院では手袋は徹底的に交換しています。一回使用した手袋は必ず捨てます。頻繁に手袋を交換するので大量にストックしてあります。

顔におかけするタオルは患者様ごとに交換し、洗濯しています。

当院には手を拭くためのタオルはありません。ペーパータオルを使用しています。手洗いも手を触れずに洗えるように石鹸やアルコールはセンサー式、水道はフットペダル式ですので、衛生的です。

歯を削る道具(タービン等)については、患者様ごとに専用のオートクレーブで滅菌しております。現在、当院には歯を削る道具(タービン等)が30本あります。午前と午後に1回ずつ滅菌をすれば十分足りるだけの本数を取り揃えております。

使う器材は滅菌バッグに入れオートクレーブで滅菌処理を行っています。

滅菌された滅菌バッグは後ろを見ると滅菌されているかが一目で判るようになっています。(一部の医院では滅菌バッグの使いまわしがあるようです。当院では滅菌バッグを開ける際、破り捨てるので再利用はできません。)

 

また、器具の滅菌消毒は適正に行なっております。ここで、申し上げたいのが全ての器具がオートクレーブに対応しているわけではないという点です。

オートクレーブは高圧・高温で滅菌する非常に効果の高いものですが、熱に弱い器具はオートクレーブでは滅菌できません。

また、物理的に滅菌できないもの(レントゲンや椅子など)もたくさんあります。

ですから、器具の滅菌消毒を適正に行なうために「スポルディングの器具分類」を基準にどのように滅菌消毒を行うかを決めていきます。

 

スポルディングは、感染リスクの程度に応じて医療器具を3つのカテゴリーに分類し、消毒についても3つの水準に分類しました。

カテゴリーについては、以下の3つに分類されます。

  1. クリティカル
  2. セミクリティカル
  3. ノンクリティカル

消毒レベルについては、以下の3つに分類されます。

  1. 高水準消毒
  2. 中水準消毒
  3. 低水準消毒

医療器具のカテゴリー分類

① クリティカル

体における無菌の組織や血管に接触するような、感染リスクが高い器具のことを指します。いわゆる、「観血処置時に使用する器具」です。

インプラントや歯周外科、抜歯といった外科手術時に用いる器材に加えて、キュレットやプローブ、リーマー、ファイル類も含まれます。

これらの器具を再使用するには基本的に滅菌処理が必要ですが、滅菌前の十分な洗浄も、あわせて行う必要があります。

また、縫合針や縫合糸など、ディスポーザブルで使用するものも、「クリティカル」に含まれます。

② セミクリティカル

粘膜面または健常ではない皮膚に接触するが、体内の無菌的部分には侵入しない器具のことを指します。例としては、ミラーや印象用トレー、咬合紙ホルダーなどが挙げられます。

歯科用のセミクリティカル器具は耐熱性であれば、加熱滅菌することが求められます。滅菌できない器具に関しては、適切な消毒処理が必要です。

消毒薬によって消毒されたセミクリティカル器具は、残留薬剤を除去するため、滅菌精製水ですすいでおくことが望ましいといわれています。また、すすぎに水道水を用いる場合には、すすいだ後アルコールで清拭し、乾燥させる必要があります。

また、タービンなどのハンドピース類は、セミクリティカル器具に分類されますが、口腔内の唾液や血液、切削片などの汚染物資がハンドピース内部に吸い込まれる「サックバック現象」の危険性が懸念されています。そのため、使用したハンドピース類は患者ごとに交換し、滅菌することが強くすすめられています。

③ ノンクリティカル

健常な皮膚と接触するが、粘膜や健常でない皮膚には接触しない器具のことを指します。感染リスクが低いため、高度な汚染を受けない限り、日常的な洗浄や清拭のみで十分であるとされています。例としては、レントゲンコーンやチェアー、血圧計のカフなどが挙げられます。

しかし、複数の患者さんで共用する場合には、使用前に消毒処理が必要です。その際は、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムなどを使用します。

消毒レベルの分類

消毒薬を用いる化学的消毒は、薬液の作用時間や濃度、温度、pHなど、効力に影響を与える因子が十分に整った場合のみ、消毒水準が確保されます。

そのため、どんな消毒薬においても、適切な使用方法を確認してから使用するようにしましょう。

① 高水準消毒

  • グルタラール
  • フタラール
  • 過酢酸

これらの消毒薬は、人体に対する毒性や刺激性が強いとされています。医療従事者の健康被害を防止するために、適切な部屋の換気を行うとともに、マスクやゴーグル、エプロン、手袋などの保護具を着用した上で使用することが強く求められます。

② 中水準消毒

  • 次亜塩素酸系(次亜塩素酸ナトリウムなど)
  • ヨードホール・ヨード系(ポビドンヨード、ヨウ素など)
  • アルコール系(エタノール、イソプロパノールなど)
  • フェノール系(フェノール、クレゾールなど)

次亜塩素酸ナトリウムには強い金属腐食性があるため、金属製の器具への使用は避けるべきです。しかし、プラスチック製の器具には使用できるため、スパチュラなどの消毒に使用している歯科医院もあります。また、ノンクリティカル器具であっても、複数の患者さんが使用する部分には、これらの消毒薬を用います。

ポビドンヨードは主に生体消毒薬として使用されることが多く、着色や金属の腐食を起こすため、器具消毒には用いません。

③ 低水準消毒

  • 第四級アンモニウム塩(ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物など)
  • クロルヘキシジン(クロルヘキシジングルコン酸塩)
  • 両性界面活性剤(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩など)

チェアーの清拭によく使用される除菌クロスは、こちらに分類されます。

低水準消毒薬には、その薬液中でも長期間生存、または増殖が可能なグラム陰性菌が存在する場合もあるようです。そのため、血液や体液で汚染されたノンクリティカル器具に対しては、中水準消毒薬を使用するようにしましょう。

(洗浄・消毒・滅菌の基準『スポルディングの分類』って何?https://style.dental/dstyle/list/news/4285/   より抜粋して引用)

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